会社設立の8つのメリットと4つのデメリット

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これから起業することが決まったら、「個人事業」としてするか「会社を設立」するかを考えないといけません。一見、「会社を設立」した方が見栄えもよいし、良さそうな気もしますが、デメリットもあります。今回は会社設立のメリットとデメリットを解説します。

 

会社設立のメリット

1.事業リスクを分離できる

個人事業主が、事業で借入をすればそれはそのまま個人の借入金となります。このため、万が一、事業に失敗した場合などは、個人資産を切り崩してでも借入金の返済をしなければなりません。

しかし、会社の場合、法律上は、出資者(個人)の責任と会社の責任は切り離されます。例えば、事業に失敗して会社に借入金が残ったときや事故を起こして会社が損害賠償請求をされたときでも、有限責任形態の会社では、会社に資本金として出資した額以上の債務を負うことはありません。あくまで会社の借金であり、個人の借金ではないからです。
もちろん金融機関から借入をする際に、個人保証を求められることもありますし、個人の責任がすべて解放されるわけではありません。しかし、すべてに個人保証が付いている訳ではないでしょうから、これは会社を設立する大きなメリットです。

 

2.節税になる

法人税率は所得税の最高税率より低いため、事業から生じる利益によっては税負担が軽くなるケースがあります。赤字が出たときの繰越期間も、個人事業の場合は3年ですが、会社の場合は10年です。また、会社から受け取る役員報酬については給与所得控除を受けることができるなど、会社に対する税制をうまく活用すれば、節税を図ることができます。

 

3.社会的信用が高い

一般的には、個人事業者よりも会社の方が社会的な信用は高いと言えます。
その理由としては、会社は公私が(個人と)分離されており、組織的に事業を行っているというイメージがありますし、現実的に大きなビジネスをするには会社でなければ難しいことが挙げられます。
そして、社会的信用が高いことによって、次のようなメリットを受けることができます。

・金融機関からの融資を受けやすい
・ベンチャーキャピタルなどからの出資を受けることができる
・人材が集まりやすい
・大きな取引先と取引ができる

 

4.決算月を自由に決めることができる

個人事業の場合、毎年1月1日から12月31日までの一年間の所得を計算し、翌年の3月15日までに確定申告をしなければなりません。これに対して、会社の場合は、決算月を自由に決めることができます。忙しい時期を外したり、決算対策(節税)のことを考えて決算月を決めるとよいでしょう。

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5.事業承継・エクジットをスムーズにできる

たとえば、個人事業の場合で、事業主が死亡したなどにより事業を承継するためには事業を構成する個々の資産などを個別に譲渡していくこととなりますし、取引先との契約も巻き直さないといけなくなります。会社であれば、株式を後継者に譲渡することにより円滑に事業を承継することができます。

 

6.会社に資金を残すことができる

会社で計上した利益は、会社の資本(利益剰余金)として蓄積されます。年月をかけて会社の資本が蓄積されていけば、それが会社の信用力となりますし、蓄積した資本を活用して事業を拡大することができます。

 

7.出資を受けることができる

取引先と良好な関係を築くために出資を受けようとしても、個人事業の場合はそもそも出資を受けることができません。取引先や関係者、ベンチャーキャピタルなどから良好な関係を築くため、あるいは、事業の将来性に着目して出資を受けることができるのは株式会社に限られます。
特に、事業の将来性に着目しての出資であれば、出資の金額も大きくなり、調達した資金をもとにして、事業のさらなる拡大を図ることができるでしょう。

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8.株式上場(IPO)できる、企業を買収できる

個人事業の場合はいくら事業規模が大きくなっても株式上場(IPO)することができません。株式上場(IPO)は株式会社でないとできないのです。また、他の企業を買収したりするのも、通常は会社でないと難しいです。会社の方が事業をより大きくする選択肢がたくさんあります。

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会社設立のデメリット

対外的な信用力が増し、個人とは切り離された会社という存在が認められるということは、その一方で、会社としてそれだけの責任を負わなければならない、ということです。
会社設立にあたっては事務手続やコストがかかりますし、会社運営を行うにあたっては会社法や関連法規を遵守することが必要となります。

1.会社設立にあたって事務手続とコストがかかる

会社設立に要するコストは、株式会社の場合で約25万円、合同会社の場合で約6万円です。
定款の作成や登記などやらなければならない事務手続も多くあります。
また、会社設立時だけでなく、解散する際も登記費用等のコストがかかります。

 

2.赤字でも一定の税金がかかる

設立後には利益があるかどうかに係らず一定の税金(法人住民税の均等割)を支払う必要があります。資本金が1千万円未満の場合の法人住民税の均等割は約7万円です。

 

3.経理処理に負担がかかる

会社でも個人事業でも正しい決算をしなければならないことは言うまでもありません。ただし、会社の場合は、複式簿記で記帳し、「貸借対照表」「損益計算書」を決算の都度、税務署に提出する必要があります。また、税務申告書も会社の方が複雑です。その分、記帳や税務申告を税理士に依頼する場合の税理士報酬も会社の方が高くなります。
また、株式会社を設立した場合は、毎年株主総会を開催しなければなりません。

 

4.社会保険に加入しなければならない

会社を設立すると、国民年金は厚生年金に、国民健康保険は健康保険に切り替える必要があります。社長1名であっても、これらの社会保険に加入しなければなりません。

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まとめ

会社設立のメリット・デメリットについて解説しました。事業を大きくしていきたいときは会社の場合はその選択肢が豊富になります。また設立からの年数や利益の蓄積が信用になりますので、会社設立も早い方がよいでしょう。一方で、会社設立のデメリットもありますので、メリットとデメリットを踏まえた上で会社設立をするとよいでしょう。

この記事を書いた人
松本 佳之

税理士・公認会計士・行政書士
みんなの会計事務所代表。「税理士のノウハウを会社成長の力に」をモットーに、大阪で起業支援、中小・ベンチャー企業の支援や税務の他、個人確定申告、相続・相続対策等の税務業務を手掛ける。

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