役員報酬の税務上のルールを理解しよう!

税金
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会社が役員に支払う役員報酬は当然会社の必要経費となります。ただし、特に同族会社などでは、役員報酬の金額を自由に変更することもできてしまうので、そのことの弊害もあります。そのため、法人税法上、役員報酬が損金になるためには一定の制限が設けられています。今回は役員報酬に関する税金のルールを解説します。

 

役員報酬に関する基本的な税金のルール

なぜ税務上、役員報酬には制限があるの?

役員報酬とは、取締役や監査役といった役員に対して支給する報酬です。支給する会社からすると会社にとって必要な業務の対価ですので、基本的には必要経費となります。

 

ただし、役員報酬が必要経費として認められるためには、税金のルールに沿って支給されたものに限られることなります。

 

なぜ、役員報酬には制限があるのでしょうか?

 

同族会社で、オーナー(株主)兼役員であるような場合には、自分の意思で自分の報酬を変更するということができてしまいます。報酬の変更が無制限に可能となると、会社の決算が近くなって、このままだとたくさん利益ができそうだから役員報酬を増やして会社の税金を減らそう、といった調整が可能となります。もちろん受け取った役員報酬にも税金(所得税等)がかかりますので、税金がゼロになる訳ではありませんが、そのような調整が好ましくないので、一定の制限が設けられているのです。

 

役員報酬に関する制限

税務上、役員報酬が必要経費となるためには、次のいずれかの要件に当てはまっていなければなりません。

 

①定期同額給与

定期同額給与とは、毎月同じ金額を支払う給与(役員報酬)のことをいいます。

通常の給与のイメージですね。

30万円と決めれば、4月30万円、5月30万円・・・と同じ金額を毎月支給し、一年間変更することはできません。

ただし、次の事業年度が始まってから原則として3か月以内で毎年同じタイミングあれば、役員報酬の変更をすることができます。例えば、3月決算の会社であれば、5月(または6月)に株主総会を行い、決算を確定させ、6月(または7月)から役員報酬を変更することが考えられます。

 

一度決定した役員報酬は、原則として変更することができませんが、次のような場合には変更することができます。

・役員の職制上の地位の変更、職務内容の重要な変更等があったとき

・経営状況の著しい悪化等があったとき など

 

②事前確定届出給与

事業年度が始まってから一定期間以内に、税務署に対して「○月に○万円支払います」と届出をした上で支払う給与(役員報酬)のことをいいます。一定期間とは、株主総会等で決議をした日から1か月を経過する日または会計期間開始の日から4か月(申告期限の延長をしていない場合)を経過する日のいずれか早い日となります。

 

3月決算の会社で、5月25日の株主総会で決議をした場合は、6月24日が届出期限となります。

 

例えば、従業員に賞与を支給するタイミングで合わせて役員賞与を支給するような場合など、事前に支給時期と支給額がわかっている場合に利用します。ただし、時期や金額が事前の届出と異なっていれば、必要経費とはなりません。

 

③業績連動給与

会社の利益や株価等業績を示す指標を基礎として計算された金額を支給する給与(役員報酬)のことをいい、インセンティブ給のようなイメージのものです。「利益に応じて支給できるのであればこれがよい」と思われるかもしれません。

 

しかし、ここで利用する利益や株価などといった業績指標は客観的なものでなければなりません。そのため、会計監査を受けている有価証券報告書を作成している会社でなければ、業績連動給与は利用できないのです。つまり、上場していない中小企業では、業績連動給与を採用することはできません。

 

 

役員報酬に関する注意点

役員でないのに役員扱いに!?親族はみなし役員にも注意

親族などが従業員として勤務していたとしても、一定の要件に該当する者はみなし役員となり、役員と同じルールが適用されることとなります。

 

役員報酬を変更する際は議事録を残す

役員報酬は株主総会または取締役会で決定します。決定した際には必ず議事録を残すようにしておきましょう。議事録が残っていないと、税務調査の際に、法的な要件を満たしておらず不相当な役員報酬であるとして否認される可能性があります。

 

役員報酬が高すぎると損金にならないことも

ここで説明した役員報酬の税務上のルールに従って役員報酬を支給していたとしても、その役員報酬が不相応に高額となる部分は損金にはなりません。不相応に高額かどうかは会社の事業内容、規模、役割等から総合的に判断することとなります。

 

 

まとめ

役員報酬の税務上のルールについて解説しました。知らずに役員報酬をあげてしまうと、税務上損金として認められず高い税金を払わないといけないこととなります。ここであげたルールや注意事項はとても基本的な事項ですので、必ず理解しておいてください。

この記事を書いた人
松本 佳之

税理士・公認会計士・行政書士
みんなの会計事務所代表。「税理士のノウハウを会社成長の力に」をモットーに、大阪で起業支援、中小・ベンチャー企業の支援や税務の他、個人確定申告、相続・相続対策等の税務業務を手掛ける。

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