人材を育てたものだけが繁盛店の資格を得る

経営
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人材不足が続く、昨今、入ってきた従業員を育て、定着させることが重要となってきます。しかし、ご自身の過去の経験や考え方で、今の従業員と向き合うと失敗しがち。今の従業員の考え方を理解することが重要です。

 

それぞれの個性を認める

将来の目標に向かって、どんな苦労にも耐える。こんな風に考える人を、若い世代で探すのは難しいことなのかもしれない。

欲しいものは、特にない。
やりたいことも、そんなにない。

やはり、すでに最低限欲しいものは手にしている、「欲しがらない世代」は存在するようです。

しかし、人を管理し教育する側の人である40代、50代の人たちは、20歳そこらで車を買うためにローンを組んだり、仕事終わりに寝ないでスノーボードをしに山に向かったりしていた世代で、欲しい物のために人より、どうにか稼ぎたい欲のある人たちです。

このギャップはとても大きく、特に学生など若い世代に助けてもらわないと経営が成り立たない飲食業界は、ここをしっかり意識する必要があります。

20年ほど前では、モチベーションを上げるために、スタッフそれぞれに課題を与え、スキルが上がった人は昇給するといった人事評価制度を採用してきた飲食店が多くありました。

 

でも、この人事評価制度に惹かれるスタッフは、今とても少ないのです。

 

「頑張ったら、給料が上がる、だから頑張る!」

ではなく

「それなりにやるので、それなりでいい。」

という人が増え、

そういう人が一定数いることを意識していなければ、スタッフがその職場に定着することは難しく、永遠に人材不足に悩まされることになります。

 

 

『お金』が欲しいから『時間』が欲しいへ

現在、スタッフを採用する際の面接で一番質問されるのは、次の3つです。

 

・休みはきちんと確保されるのか?
・急に勤務することはあるのか?
・残業があるのか?

 

少し前であれば、このような質問を面接ですると、やる気がない、失礼だという意味のわからない風潮さえあったのに、今は経営者にこれらを確認することは当たり前になっています。

これは、雇われる側の市場であることと、古くからのサービス残業という概念が影を潜めてきたことが大きいのでしょう。

 

ここ数年で、労働環境の改善、ライフワークバランスの見直し、つい最近では「働き方改革」などと言われ、働く人の「働き方の意識」は大きく変わりました。

この背景には、この30年間、ほとんど賃金が上がらず頑張っても生活は変わらないし、そんなに困っていないと感じていることがあるようです。

そして、何とか生活はできており、高望みはしないと考えるようになった人たちは、生活のゆとりとして、お金ではなく「時間」を求めるようになっています。

ある程度の給料でいいので、休みは確実に休みたいし、帰宅時間が予定より遅くならないことを希望し、給料が少なくてもいいから、あまり長い時間は働きくないと考えています。

 

これはお客さんの入り次第で、必要な人数がリアルタイムで変わっていく飲食店にとっては難しい情勢ですが、この要求も受け入れなければなりません。

全てのスタッフが、将来、独立して飲食店を開業したいと考えていて、給料が安くても勉強になればいいと考えていれば最高ですが、現在では、そういうスタッフは、ほんのひと握りで、そんな意識の高い人は、数少ない優良店にしかいない状況です。

 

この数少ない優良店に入る努力をするか、もしくは、そこまで意識の高くないスタッフでも教育して、働いてもらえる環境を作るかしなければ、繁盛店になる資格はおろか、開業する資格さえ与えられないのかもしれません。

 

 

人材不足で、飲食店は今後どうなる?

このまま日本はさらに労働人口が減り、作業の自動化やオペレーションのデジタル化により、少ない人数でどうお店を経営していくかという方向を検討することになります。

 

現在のように、お客様が来た時におしぼりを持っていくところから、帰る時にお見送りをするまで、全て人がやるお店は一部の高級店だけになる時代が来るかもしれません。

 

何よりも高くつく人件費。

人間を雇えるお店は、一流店の証。

 

こんなことを言われるようになるのも本当に近未来で、そんな極端な話でははありません。

 

「あの居酒屋、20席しかないのに店員が4人もいるよ!」
なんて驚かれる時代が来るかもしれません。

 

スタッフがたくさんいて、きちんとした接客とサービスを受けられるのは、一部の高級店だけになり、そのレベルまでいかないお店は、できるだけ自動化、デジタル化して営業するか、淘汰されて閉店するかという極端な時代になっていく可能性は本当に高いのです。

 

今度、外食はもっと特別なものになり、回数は減るが使うお金は増えて、満足するための要求はどんどん増えていくでしょう。

 

 

まとめ

機械じゃ変われないぐらいの仕事をしてくれるもんな。この人なら雇ってもいいな。

こう思えるレベルまでスタッフを教育し、その給与を払えるような経営状態をキープするという過酷なノルマが経営者に課せられていくことになりそうです。

人の温かみを感じれる素敵なお店が一軒でも多くの残ることを願います。

この記事を書いた人
太田とよしき

飲食店経営コンサルタント、ライター
大手飲食チェーンにて店長業務から新規事業、店舗開発を経験。恵比寿にて独立起業し、多店舗展開したあと、事業譲渡。現在はコンサルタント業を専業とし、飲食店オーナーの経営相談、新規事業のディレクションをする傍ら、記事の執筆、飲食店向けのシステムや製品開発をサポートしている。

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