整理解雇とは?コロナ禍で経営者が知っておくべき4要件

労務
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コロナウイルスの流行はまだまだ終わりが見えず、経営の悪化に悩まされている経営者も少なくないことでしょう。

 

解雇や雇い止めをされる労働者も、増えるばかりです。

厚生労働省の発表によれば、2021年7月には、コロナウイルスの影響による解雇・雇い止めの人数は、見込みも含めて累計11万人を超えました。

 

解雇のなかでも、経営悪化などを理由として行われる解雇を、特に「整理解雇」と呼びます。整理解雇には満たすべき要件が4つあり、俗に「整理解雇の4要件」と言われています。

この記事では、解雇、および「整理解雇の4要件」について、ご説明します。

 

整理解雇とは?整理解雇の4要件とは?

どんな経営者でも従業員の雇用に対する責任をしっかりと背負い、経営を行っていることでしょう。
しかし、残念ながら、経営が悪化し、会社を存続させるために解雇に踏み切らざるを得ない場面が生じることも考えられます。解雇のなかでも、経営悪化などを理由として行われる解雇を、特に「整理解雇」と呼びます。経営が悪化していたとしても、自由に解雇することができる訳ではありません。解雇のルールを知っておきましょう。

 

その1. 解雇は社会通念上相当でなければならない

解雇とは、ひとことで言えば、経営者が一方的に労働契約を終了することです。

 

ですが、経営者が好き勝手に行ってよいものではなく、法で定められた要件を満たしていなくてはなりません。

 

労働契約法には、次のような条文があります。

第16条「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」

 

第17条「使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。」

 

また、解雇制限と言って、一定の労働者に対しては、解雇を行ってはならないとされています。

たとえば、以下に該当する場合、解雇は認められせん。

  • 労働者が業務災害のために療養している期間、およびその後30日間の解雇
  • 労働者が産前産後のために休業している期間、およびその後30日間の解雇
  • 労働者が育児・介護休業を申し出た、あるいは取得したことを理由とする解雇
  • 労働者が労働組合に加入していることを理由とする解雇

 

 

その2. 解雇は30日前以上に予告しなくてはならない

客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当である解雇であったとしても、それだけでは正しい運用だとは言えません。

 

解雇の予告についても、労働基準法に定めがあります。

第20条「労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。」

 

つまり、経営者は解雇しようとする労働者に対して、30日以上前に解雇を予告するか、30日分以上の平均賃金を「解雇予告手当」として支払うか、どちらかをしなくてはなりません。

 

ですが、同じく労働基準法には、続けてこう明記されています。

第20条②「前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。」

 

たとえば、解雇の予告が解雇日の15日前であるならば、平均賃金×15日分の「解雇予告手当」を支払えばよいのです。

 

とはいえ、解雇を言い渡される労働者にしてみれば、1日でも早く予告してほしいところでしょう。

あまりにもギリギリの解雇予告では、引き継ぎ業務や退職処理をするうえで、混乱が生じるかもしれません。

 

無益なトラブルやわだかまりを生まないためにも、30日以上前の解雇予告を、できるかぎり徹底することをおすすめします。

 

 

その3. 整理解雇の4要件

上述した解雇制限と解雇予告は、整理解雇であっても適用されるルールです。まず、その点を失念しないようにしてください。

 

さらに、整理解雇においては、下記の「整理解雇の4要件」をすべて満たしていなくてはいけません。そうでなければ、不当解雇になってしまいます。

 

人員削減の必要性

経営が悪化した、会社が倒産寸前である、など、人員削減を必要とする経営上の理由が本当にあるか。

 

解雇回避の努力

労働者の配置転換をする、希望退職者を募集する、など、整理解雇を回避するための努力をしたか。

 

人選の合理性

整理解雇の対象となる労働者を決める際、客観的で合理的な基準によって選んだか。また、その運用は公正に行われたか。

 

解雇手続の妥当性

整理解雇の必要性や、その時期、方法などについて、労働者が納得できるように、じゅうぶんに説明したか。

 

この「整理解雇の4要件」を満たしていなかったがために、解雇が不当であると裁判で認められて、整理解雇が無効になった例もあります。

 

整理解雇を行おうとする経営者は、くれぐれも慎重に対処するようにしてください。

 

 

まとめ

今回は、解雇と整理解雇について、ご説明しました。

 

SNSも普及したいま、不当解雇のニュースは、会社のイメージダウンにもなりかねません。ただでさえコロナ禍で経営が悪化しているのに、さらなるダメージを受けるリスクもあります。

 

トラブルを避けるためにも、法の定めに則った整理解雇を行いましょう。

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