割増賃金とは?月給→時給に置き換える計算方法を詳しく解説

給与
この記事は約6分で読めます。
スポンサーリンク

従業員の給料を計算する上で必要となってくるのが、割増賃金の知識です。「残業や早出をしたらその分を上乗せすればいい」などという単純な考え方では計算できませんので、給料計算に関わる仕事をする人は覚えておく必要があります。

 

今日お伝えするのは、割増賃金の概要と計算方法です。特に従業員を月給制で雇っている場合には、今日ご紹介する計算式が役立ちます。ぜひ参考にしてみてください。

割増賃金とは

まずは割増賃金について、簡単に概要を解説します。

 

割増賃金とは、従業員が労働時間を超えて働いた場合や法定休日に働いた場合に支払う賃金のことです。割り増しという言葉が示す通り、通常の賃金に割り増す(何割かを上乗せする)形で支払います。

 

割増賃金の種類は、全部で3つ。それぞれに決まった割増率があり、中には2つ以上の割増賃金を組み合わせて支払うケースもあります。

 

割増賃金の種類と割増率は、それぞれ次の通りです。

 

  1. 時間外労働:2割5分(25%)以上
  2. 休日労働 :3割5分(35%)以上
  3. 深夜労働 :2割5分(25%)以上

 

では、割増賃金を計算するには一体どのような計算式を用いればよいのでしょうか。

【割増賃金の計算方法】計算式は「時給×割増率」

割増賃金の計算に用いる計算式は、こちらです。

 

基礎の部分(時給)×割増率=割増賃金

 

時給制で働いている従業員がいる場合、基礎の部分には時給を当てはめます。

 

仮に残業(時間外労働)をした場合を想定すると、一般的な割増賃金の計算式は次の通りです。

 

1,500円×0.25=375円

 

この場合は、通常の時給(1,500円)に375円を加えた1,875円を残業代として支払わなければいけません。

 

これに対して、日給制で働いている従業員の基礎部分となるのは日給を1日当たりの所定労働時間(※)で割った金額です。

 

※所定労働時間とは…会社で定めている就業時間のこと。拘束時間とも呼ぶ。所定労働時間には休憩時間を含む

 

例えば日給が1万2,000円で所定労働時間が8時間の場合、こんな風に算出します。

 

1万2,000円÷8=1,500円

 

 

では月給制で働いている従業員が残業や休日出勤をした場合には、基礎となる部分(時給)をどのように計算すればよいのでしょうか。

【月給から割増賃金を算出する方法】まずは基礎の部分を確定

月給制の社員に支払う割増賃金を計算するには、月給のうち「基礎」となる部分を先に計算する必要があります。基礎となる部分を算出したら、その金額を時給に置き換えるのです。

 

月給の基礎部分は、通常時に支払っている賃金と手当を含めて計算します。

 

ただし、基礎の部分に含めるのは家族の人数や通勤の距離などに関係なく一律で支払っている手当のみ。

 

例えば、こういった形で支給している手当は基礎の部分に含めます。

 

  • 賃貸物件に住んでいる社員には一律○万円の住宅手当を支給する
  • 持ち家に住んでいる社員には一律○万円の住宅手当を支給する
  • 扶養家族がいる社員には一律○万円の家族手当を支給する

 

その他の手当、つまり一律で支給していない手当は基礎の部分から除外してOKです。

 

例えば、こういった手当は基礎の部分に含めません。

 

  • 家族手当・子女教育手当
  • 通勤手当
  • 住宅手当
  • 別居手当・単身赴任手当
  • 臨時の手当(結婚や出産のお祝い金、特別手当など)
  • 賞与(ボーナス)

 

【月給の基礎部分から時給を算出する方法】3ステップで具体的に解説

基礎の部分が分かったら、その金額を今度は時給に置き換えます。

 

時給制や日給制ではなく月給制で働いている場合、まずは従業員の時給を算出しなければいけません。しかし時給を算出するには1か月の所定労働時間を算出する必要があり、1か月の所定労働時間を算出するには年間の所定労働時間を先に算出しておく必要があります。

 

せっかくですので、今日は1つずつ順に算出しながら理解を深めていきましょう。

 

なお例として今回の計算に使うのは、こちらのケースです。

 

(例)

●   月給の基礎部分   25万円

●   1年間の所定休日(※)120日

●   1日の所定労働時間  8時間

 

(※)1年間の所定休日とは…会社で決めた休日のこと

ステップ1.「1年間の所定労働時間」を算出しよう

まずは、年間の所定労働時間を算出してみます。

 

年間の所定労働時間を算出する計算式は、こちらです。

 

(365日-1年間の所定休日)×1日の所定労働時間=1年間の所定労働時間

 

今回の例を上の計算式に当てはめると、こうなります。

 

(365日-120日)×8時間=1,960時間

ステップ2.「1か月の所定労働時間」を算出しよう

続いて算出するのは、1か月の所定労働時間です。

 

1か月の所定労働時間は、1年間の所定労働時間を12で割って算出します。

 

今回の例を当てはめて計算した式が、こちらです。

 

1,960時間÷12=163.3時間

 

※小数点第2位以下は切り捨てます

ステップ3.「1時間当たりの賃金(時給)」を算出しよう

次は、いよいよ時給を算出する工程です。

 

先ほど算出した「1か月の所定労働時間」を使って、時給を算出します。

 

使う計算式は、こちらです。

 

月給の基礎部分÷1か月の所定労働時間=1時間当たりの賃金(時給)

 

今回の例では月給の基礎部分が25万円の場合を想定していますので、計算式に当てはめるとこうなります。

 

25万円÷163.3時間=1,531円

※小数点以下は切り上げ

 

計算した結果、今回の例では1,531円という数字が出てきました。割増賃金を計算する際は、この時給に割増率を掛けて算出します。

 

まとめ

今日は、割増賃金の概要と計算方法をご紹介しました。

一見すると面倒な計算が必要なように見えますが、どれも実は単純な計算式ばかりです。割増賃金の計算をする際は、こうして順を追って計算してみるとよいですよ。

 

この記事を書いた人
永瀬なみ

大阪在住のフリーライター・編集者 /『ライティング事務所くすの樹』代表
商業高校出身かつ金融業界の経験があり、マネー系に強い。保有資格は「全経能力簿記検定1級」「上級心理カウンセラー」など。現在は暮らしにまつわる全ジャンル、およびメンタル系や女性向けの執筆をメインに活動中。取材・インタビューも得意。

永瀬なみをフォローする
給与
スポンサーリンク
永瀬なみをフォローする
経営SCOPE
タイトルとURLをコピーしました